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東横ポニーBayWinds監督・廣川のBlog

中学硬式野球の現場から見た少年野球に対する指導者の想いを綴っています。
​東横ポニーBayWindsは東京・横浜・川崎を中心として活動する中学硬式野球チームです。

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「当たり前」の水準を高める

うちのチームは、選手に課している「ルール」はほとんどありません。具体的なルールといえば「毎週水曜日までに週末の出欠を連絡すること」くらいです。


チーム哲学(PHILOSOPHY)として「VISION」「SLOGAN」「GUIDELINE」は定めています。いろいろと細かく定義されていますが、行き着くところは


  • 目の前のことに本気で取り組むこと

  • 常に思いやりの心を持って考え、行動すること


この2つです。「VISION」「SLOGAN」「GUIDELINE」はチームが大切にしている「本気」「思いやり」を具体的にな言葉で例示したに過ぎません。


ルールは「明文化しないと守れない人がいるから」定められるものだと思います。当たり前のことであればルール化する必要はないと思いますし、良い組織は「当たり前の水準」が高いです。チーム設立以降、ルールを整備することよりも「当たり前の水準を高めていくこと」に最も注力をし、野球の技術を教える以上に心血を注いできました。


元はと言えば生まれも育ちも違う選手たちです。

良い悪いの問題以前に「当たり前」の捉え方も違います。しかしチームとして体裁を為すために日々の選手への声かけから「本気」「思いやり」の大切さを訴え続け、選手の心を掴むまでそれを継続する必要があります。「本気」「思いやり」の表現の仕方は選手によって様々ですが、本人なりの「本気」「思いやり」の示し方を体現してくれればそれで良いと思っています。


うちのチームに1人、外国人の選手がいます。

彼は日本語があまり得意ではないのですが、うちの選手たちは彼に対して積極的にコミュニケーションします。「覚えたての英単語を駆使して意思疎通を図ろうとする選手」も居れば、「変な日本語を教えて談笑しながらコミュニケーションする選手」も居ます。でも共通していることはその外国人選手が嬉しそうに楽しんで選手たちとコミュニケーションしていることです。


「覚えたての英単語」「変な日本語」

この2つは表面的には全く異なるものですが、共通しているのはその外国人選手に対する思いやりが込められていることです。きっとその思いやりは外国人選手に届いているのでしょう。選手たちはどちらも楽しそうに会話しています。コミュニケーションの手法としてはどちらも正解なんだと思います。


平たく言うと、ルールは「全体の利益を守るために個人のわがままを抑制するもの」です。ルールを盾に選手を縛っても選手の心の中は「ルールさえ守ればあとは好きにしていい」としかならないと思います。定められたことだけは遵守されるかも知れませんが「願わくば好き勝手にしたい」と思う心は何も変わらないと思うのです。これは誰が定めたルールでも同じことです。縛っている人が違うだけで縛られている事実は何も変わらないからです。


冒頭にご紹介した我々の数少ないルールですが、今では私が何も言わずともうちの選手の大半は火曜日には予定の登録を終えています。「なぜ出欠を確認しているのか?」「出欠の確認が遅れたら誰にどんな不利益があるのか?」といったことを選手たちが自発的に考え、思いやりを持って行動できるよう「心が変わり始めている」からだと思います。


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